事業実績

2016年05月01日(日)

翻訳後修飾研究のフロンティアとそれを支える基盤技術-創薬R&Dへの期待-

CBI学会関西地区では,アカデミア創薬に焦点を合わせ,関西の特色である医療イノベーション戦略や創薬支援ネットワーク,産官学の連携,国際化戦略,医療・構造生物学と計算科学の融合,臨床情報の創薬応用,メタゲノム・マーカー探索などに焦点を当てて講演会の企画を行ってきた.今回は,「翻訳後修飾研究のフロンティアと構造生物学」を主たるテーマとし,創薬研究への期待という視点で翻訳後修飾に関する最前線研究と創薬研究を支える基盤技術を紹介した。
現在の創薬R&Dにおいては,標的蛋白質について立体構造を含む諸性質をできるだけ理解し,論理的に研究を進めることがグローバル・スタンダードとなっている.しかしながら,リン酸化,糖鎖付加,アセチル化,ユビキチン化(SUMO化)など多岐にわたる蛋白質の翻訳後修飾については,未だに分かっていない点が多い.したがって,これら翻訳後修飾がもたらす生体機能制御メカニズムを解明することにより,創薬R&Dにおけるブレークスルーが生じることが期待される.そこで,関西エリアを中心とした各分野の専門家の方を講師としてお招きして,翻訳後修飾に関する最新研究と創薬R&D展開の可能性,それに加えてこれらの研究を支える基盤技術についてご紹介いただく.本会の最後には講演者,参加者の全員で,翻訳後修飾研究がもたらす創薬R&Dへの新展開に関して克服すべき課題や取り組むべきアクションについて議論した。
【主  催】情報計算化学生物学会(CBI学会)関西部会
【共  催】(公財)都市活力研究所
【協  賛】バイオグリッドセンター関西
日時 2016年04月22日(金)
13:00-17:55
開催場所 グランフロント大阪 ナレッジキャピタル 北館タワーC 9階 VisLab OSAKA
プログラム 13:00~13:10
 開催の挨拶

13:10~14:10
「糖鎖の生命分子構造学」
加藤晃一(自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター、名古屋市立大学大学院薬学研究科)

14:10~15:10
「ユビキチン化、SUMO化によるタンパク質の立体構造変換を介した機能制御」
森本大智(京都大学 大学院工学研究科)
[論文]
1.Morimoto D, et al. " The unexpected role of polyubiquitin chains in the formation of fibrillar aggregates." Nat Commun. 6:6116, 2015
2.Inomata K, et al. "High-resolution multi-dimensional NMR spectroscopy of proteins in human cells." Nature, 458:106-9, 2009

<15:10~15:30  休憩>
15:30~16:30
「リン酸化プロテオミクスを駆使した創薬キノームプロファイリング」
石濱泰(京都大学 大学院薬学研究科)

16:30~17:00
「SPring-8・SACLAの構造生物学研究の現状と将来」
山本雅貴(理化学研究所 放射光科学総合研究センター)

17:00~17:30 
「一歩先のインシリコ・スクリーニングと分子設計」
福西快文(産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター)

17:30~17:55 
まとめと総合討論
18:00より 懇親会
参加人数 56名

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